私は平成5年に、福岡県高校野球夏の大会決勝で敗れ、
選手と共に口では言い表せないくらいの悔しい想いをしました。
「次こそは甲子園大会出場実現だ」と選手と共に春の選抜出場に向け、
努力したことを良く覚えています。
その取り組みの一つとして、イメージトレーニングがあります。
私にとってのイメージトレーニングとは、
成功した時のみしか訪れない場面をイメージすることで、
「必ずその場面を実現するぞ」とくじけそうになった自分自身を
奮い立たせるメンタルの支えになっていました。
では、甲子園決定時しかみることの出来ない場面、
何を想像したと思いますか?
「選手の入場行進姿」
これは甲子園決定時しかみることの出来ない場面ですが、
あまりにも直接過ぎて逆にプレッシャーがかかります。
「宿舎でのミーティング場面」これも直接過ぎますね。
もっともっと離れての、甲子園決定時しかみることの出来ない場面とは。
私が想像したのは、甲子園出場が決まり、
小倉駅で皆さんから送られ甲子園に出発する、
新幹線がホームに入ってくる、新幹線の扉が開く、
新幹線に乗り込もうと下を見ると
ホームと新幹線の間にわずかな隙間がある
「この隙間を必ず見る」これが私がイメージした場面でした。
甲子園出場まで、何度も苦しい場面がありましたが、
「あの隙間を必ず見てやる」との強い気持ちを持ち続けました。
出発当日、新幹線がホームに入ってくる、
近づいてくる「いよいよ、あの場面がくる」
扉が開いた「この隙間だ、俺が何度も何度も見続けた隙間は」
ただの隙間でこれだけ感動できたことは、一生忘れません。
東高生諸君、
東高から次のステージに行かないとみることの出来ない場面を設定し、
自分自身が、努力し続ける手助けとすることも大切かもしれません。
参考まで。
校 長 |